8月30日(土)14:30〜16:00
※本シンポジウムは一般公開の予定です. Zoomでの配信を予定しています.
※事前申し込み(こちらから)が必要です.質疑応答をZoomを通して行いますので,現地参加の方もお申し込みください.
教育システム情報学会はCAI学会として1974年に創立され,2024年に創立50周年を迎えた.一貫して情報学の視点から教育・学習の改善に資する研究・開発・実践を先導してきた唯一無二の学会である.教育・学習は誰しもその生涯において経験したことがあり,かつ個別依存性,状況依存性が高いがゆえに,統一的かつ汎用性の高い議論は根源的な課題である.今後もこの課題は広範囲化かつ深化するが,そこから様々な学術研究が創造されることが期待される.
さて,このような50年の歴史の中でも,教育システム情報学会が先駆的に取り組み.その発展を先導してきた研究分野が多くある.たとえば,CAI(Computer Assisted Instruction),知的学習支援システム,AI-ED(Artificial Intelligence in Education),インタラクティブ学習環境,協調学習,情報教育,医療看護情報学,教育評価の数理研究などが代表的である.これらの分野は今後も教育システム情報学会の中核的な研究分野として益々発展させていく必要がある.
一方で,生成AI等に代表されるように,新しい情報技術の誕生と普及により,学術研究に対する考え方や向き合い方には変化が求められている.予測困難な時代においてどのような学術研究が必要なのか,これからの新しい時代を担う研究者にとっては大きな課題である.しかし,社会がどのように変化しようとも普遍的に大切なことがあり,それを大切にしながら新しいことに積極的に向き合い,新たな価値を創造することが必要である.まさに,このような時であるからこそ「温故知新」(故(ふる)きを温(たず)ね,新しきを知る)の教えが大切である.つまり,先人たちの考えや取り組みを知り,そこに敬意を表し,次につなげることが大切である.もちろん,このことが即課題解決に繋がるものではないとしても,必ずや解決に向けての示唆を与え,新しい時代を担う人たちの背中を押していただけるはずである.
そこで,教育システム情報学会第50回大会では「教育システム情報学の温故知新」と題してシンポジウムを企画した.教育システム情報学会の創成期から独自の研究活動を先導され,本学会の発展に大きく貢献されてきた先人の方々にその思いや研究への考え方についてお話をいただく.そして,気鋭の若手研究者との対談を通して,本学会の今後の発展に向けての羅針盤としたい.
今回は以下の4名の先人の方々と,3名の気鋭の若手研究者に登壇を依頼している.どうか参加者の皆様にもお楽しみいただき,本大会のテーマである「教育システム情報学の未来に向かって〜第50回記念大会〜」について普遍的に大切なことを共有していただきたい.
小松川 浩(公立千歳科学技術大学)